新築アパート経営 vs 中古アパート経営どっちが正解?

公開日:2026/02/18
アパート

利回りとは、投資額に対する年間収益の割合を示す重要な指標です。アパート経営で成功するには、この利回りをもとに考えることが大切です。今回は、アパート経営における「利回り」について取り上げ、新築アパートと中古アパートのどちらが経営におすすめなのか紹介します。ぜひ参考にしてください。

アパート経営における利回りの計算方法

まずは、アパート経営における「利回り」の計算方法と、新築よりも中古アパートの方が利回りが高くなりやすい理由について解説します。利回りとは、投入した資金に対して年間でどの程度の収益が得られるかを示す指標で、アパート経営では「年間家賃収入 ÷ 建物取得費」という計算式で求められます。

例えば、建築費1億円のアパートで年間家賃収入が800万円の場合、利回りは8%です。このように単純な収入と取得費の割合で算出されるものを「表面利回り」と呼びます。

新築アパートより中古アパートの方が利回りが高い傾向にある

そして基本的には「新築アパートよりも中古アパートの方が利回りは高い」と言われています。背景には、建物価格は築年数の経過とともに下落していく一方で、家賃はそれほど大きくは下がらないという特徴があります。

利回りの計算式は「年間家賃収入 ÷ 建物取得費」です。そのため、家賃収入が大きく変わらないまま建物価格が下がれば、分母が小さくなる分、利回りは上昇します。

例えば、新築時に建物価格が1億円で家賃収入が800万円なら利回りは8%ですが、同じ物件が築年数を経て5,000万円で購入でき、なおかつ家賃収入が800万円のままであれば、利回りは16%にまで上がります。つまり、取得費が半分になれば利回りは倍になるという構造です。

新築アパートと中古アパートの違い

まず前提として、新築でアパート経営を始めても年月が経てば中古物件となります。新築と中古は対立するものではなく、時間軸の違いに過ぎません。そのうえで「新築で始める場合」と「中古で始める場合」の違いを整理します。

新築アパートのメリット・デメリット

新築アパートで経営を始める最大のメリットは、節税効果が高い点です。

相続税や固定資産税の軽減効果が期待できるほか、減価償却を通じて所得税の圧縮も可能です。特に相続税対策を考える土地オーナーにとっては大きな利点となります。

また、新築であることから当初は修繕リスクが低く、設備も新しいため入居付けもしやすく、経営初期の安定感が高い点も魅力です。修繕費が本格的にかかる築年数に達するまでの間に、家賃収入を蓄積しやすいという安心感もあります。

一方で、建築費が高額になるため借入金も大きくなりやすく、初期投資の負担が重い点はデメリットといえます。

中古アパートのメリット・デメリット

中古アパートで始める場合の大きなメリットは、初期費用を抑えられることです。購入価格が新築より低いため、自己資金や借入額を抑えてスタートできます。

そのため、いわゆる会社員大家など、資産家でなくても参入しやすいのが特徴です。固定資産税の節税効果は築年数が経過しても維持されますし、所得税対策の面でも独自のメリットがあります。

減価償却期間は建物構造によって定められており、たとえば木造は22年ですが、法定耐用年数を超えた物件を取得した場合は、耐用年数の20%相当(端数切り捨て)を新たに償却期間として設定可能です。築22年を超えた木造アパートなら約4年間で減価償却できるため、短期間に大きな償却費を計上でき、計画的な所得税の節税戦略を組むことも可能です。

物件を数年単位で買い替える手法も選択肢となります。しかし中古物件には、相続税対策としての効果が新築ほど大きくない点や、購入時点ですでに老朽化が進んでいるため、早期に高額な修繕費が発生する可能性があるというリスクがあります。

初年度から思わぬ出費が生じることもあり、経営が不安定になる懸念も否定できません。

経営するなら新築アパートと中古アパートどっちがお得?

前述したように「アパートは古くなるほど利回りが上がる」と言われますが、それだけで中古の方が得だと判断するのは早計です。なぜなら、利回りの高さは「時間の経過」によって生じている側面があるからです。

時間の経過に関する考え方

例として、新築時に利回り8%でスタートしたアパートが、築20年後に価格5,000万円で売りに出され、利回り16%になっているケースを考えます。

このとき、新築から経営してきた「売り手」にとっては、あくまで利回り8%で始めた物件の20年後です。一方、その物件を購入する「買い手」から見れば、取得価格が下がっているため利回り16%の高収益物件に映ります。

この違いは、物件そのものの性能差ではなく、20年という時間差によって生まれたものに過ぎません。では「買い手」がその中古アパートを取得して得られる家賃収入と「売り手」が売却せずにそのまま経営を続けた場合の家賃収入に差があるかというと、当然ながら差はありません。

同じ建物である以上、将来得られる家賃収入は基本的に同じです。つまり、利回りの数字だけを見て有利・不利を判断するのは本質的ではないということです。

新築アパートと中古アパートを正しく比較する方法

新築と中古を正しく比較するためには、同じ築年数の時点で考える必要があります。具体的には「新築でアパート経営を始めて20年目を迎えた状態」と「築20年のアパートを購入してその時点から経営を始める状態」を比べることです。

この場合、新築オーナーはすでに20年間の家賃収入を積み重ねてきた「ストック」があります。一方の中古購入者は家賃収入の蓄積がない状態からスタートします。

ここに大きな違いがあります。この視点で見ると「利回りが高い中古の方がお得」というイメージは必ずしも正しくないことが分かるでしょう。

しかし、だからといって単純に「新築の方が得」とも言い切れません。投資開始のタイミング、手元資金、リスク許容度などによって結論は変わるためです。

つまり、新築と中古のどちらが有利かという問いは、利回りの数字だけで判断できるものではなく、時間軸や収益の積み上げを含めて総合的に考える必要があるということを示しています。

新築アパートが適している人の特徴

相続税リスクを抱える土地オーナーや、できるだけ安定性を重視したい方には、新築アパート経営が向いているでしょう。特に土地をすでに所有している場合は、その資産を有効活用できるという大きなアドバンテージがあります。

土地を活かさず遊休資産のままにしておくことは、機会損失ともいえます。

中古アパートが適している人の特徴

一方、会社員として働きながら投資資金を貯め、不動産投資に挑戦したい方にとっては、中古アパートから始める方が現実的でスピーディーです。新築を建てられるだけの資金を貯めるには長い年月がかかりますが、中古であれば早い段階で市場に参入できます。

経験を積みながら規模拡大を目指す戦略も取りやすいでしょう。ただし、価格の安さだけで判断し、リスクの高い物件を焦って購入しないよう注意が必要です。

まとめ

本記事では、アパート経営における「利回り」の考え方を軸に、新築アパートと中古アパートのどちらが適しているかを解説しました。利回りは投資額に対する年間収益の割合で、中古アパートは建物価格の下落により表面利回りが高くなる傾向があります。しかし、利回りだけで「お得」を判断するのは早計で、時間の経過による収益の蓄積や初期投資額、修繕リスクなどを含めて総合的に考えることが重要です。相続税リスクを抑えたい土地オーナーには新築が向き、資金を抑えて早く投資を始めたい会社員などには中古アパートが現実的な選択肢です。それぞれの目的や状況に応じて最適な戦略を選ぶことが、アパート経営成功の鍵と言えるでしょう。

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